特別純米の醪【留後11日】(令和2年2月22日)

 

 臼杵産酒造好適米「若水」を使用した特別純米の醪。留後11日。
 順調に発酵しており、果実様の芳香が感じられます。上槽は3月7日(土)前後を予定していますが、今後の発酵状況によります。

切返し(令和2年2月21日)

 

 床もみ後10〜12時間経過した時、堆積した蒸米をくずして固まりをほぐします。この作業を切返しといいます。この時、品温はもみ上げ温度と同じか、0.5℃程度上昇しています。
 切返しの作業は室内が高温、多湿であり、かつ重労働なため、切返し機で行うことが多くなっていますが、久家本店では手作業です。作業によって1〜2℃低下しますが、切返し後再び蒸米を堆積しておきます。(映像は普通酒・留添え用麹150sの約半分)

滓引き【おりびき、大吟醸斗瓶】(令和2年2月19日)

 

 上槽したばかりの清酒には、溶解していない米の澱粉粒及び蛋白質、繊維、並びに酵母及び麹菌体等の固形物が多量に含まれていて濁っています。
 滓引きとは、このような濁った製成酒を貯蔵し、滓が自然に下がるのを待ちながら、濁りの部分の滓を除去する工程を指します。

 

 大吟醸斗瓶の滓引きは通常とは違い、底に沈殿した滓を残しながら上澄みの清澄な清酒だけを、細いホースを使用して手作業で他の斗瓶へ移し替えます。(村上課長)

大吟醸の酒粕(令和2年2月17日)

 

 【自動醪搾機】 この機械の原理は、濾布中にゴムの袋があり、濾布とゴム袋の間に醪を入れてゴム袋をふくらませると、醪が搾れるというものです。
 濾過板と圧搾板が交互に接続され、その空間に醪を注入し、最初は醪輸送ポンプの注入圧で濾過し、後半は空気圧で圧搾を行い醪を搾る操作を行います。(本日の映像は本醸造の上槽の模様)

 

 【粕の袋詰め】 上槽が終って袋及び濾過板から粕を取り出す操作を粕離しといいます。粕離しがすべて終わった時点で検定の為、粕の重量を測ります。その後、製品課へ運ばれて選別、手作業でビニール袋に詰められて商品となります。
 弊社の大吟醸・酒粕には、使用麹菌による小さな黒い点が見られますが、品質に一切影響はございません。大吟醸・酒粕はひときわ香味が華やかです。

上槽【袋吊り】(令和2年2月13日)

 

 大吟醸(熊本酵母)の1本目の醪を上槽【袋吊り】しました。米が溶けにくかったからか、例年に比べて淡麗な味わいでした。
 発酵が終わって熟成した醪は、こして液状部分(清酒)と固形部分(粕)に分けます。この操作を上槽(じょうそう、あげぶね)といい、槽または自動醪圧搾機を用います。
 ただし鑑評会などへの出品酒(大吟醸)には、「酒袋」に醪を入れ、それを吊るすことで外圧ではなく醪そのものの重みによって、自然と酒が滴り落ちる「袋吊り」という上槽方法を用います。
 その際、酒が滴る様子から「雫酒」「雫取り」などと呼ばれたりします。醪の自重でじっくり搾るため、余分な成分が押し出されることなく、華やかな香りと繊細な味わいになります。
 また、搾った清酒を「斗瓶(とびん)」と呼ばれる容器で少しずつ集める方法のことを、「斗瓶取り」或いは「斗瓶囲い」といいます。

休日の作業風景(令和2年2月11日)

 

 @上槽を控え、松野杜氏が自動醪圧搾機、垂口酒(搾った酒)を受けるタンク、ホース類を入念に洗浄しています。
 A臼杵産酒造好適米「若水」を使用した特別純米酒の仕込みも真最中。明日の蒸しに備えて、村上課長が「若水」を甑へと運んでいます。
 B熊本酵母(KA4)の醪は、明後日上槽を迎えそうです。

洗米(令和2年2月3日)

 

 白米表層に残留している糠分を除去する目的で、白米を水洗いすることを洗米といいます。洗米中には白米の表層が1〜2%摩耗し、二次精米の効果もあるといわれています。
 洗米によりカリウムや蛋白質や澱粉粒が流出し、白米重量に対し10〜15%の水が米に吸収されます。
 本醸造仲仕込み麹用の米90s(移動式洗米機)、本醸造留仕込み用の米510s(自動洗米機)、特別純米酒母麹用の臼杵市産「若水」28s(手洗い)の順に洗米の作業を撮影しました。

酒造りが佳境に入りました。(令和2年2月1日)

村上課長 村上課長

 

 蔵人達は忙しい朝を迎えています。
 いくら暖冬とは言え、臼杵市の今朝の最低気温は摂氏1度。元気いっぱいの村上課長。(写真左)
 酒母用のタンクを熱湯消毒する松野杜氏。右側は洗米され、甑に輸送される酒米。(写真右)

仲仕込み(仲添)【本醸造】(令和2年1月30日)

 

 踊り中に酵母が十分増殖し、仲仕込み直前では酸度も2.7前後になって、安全な醪の発酵に必要な条件が整ってきますので、これに仕込水、麹、蒸米を投入して攪拌します(映像は蒸米)。
 櫂(かい)で攪拌する作業を櫂入れ(かいいれ)といいますが、仕込時の櫂入れは物料の混和が目的で、あまり激しく攪拌すると蒸米がつぶれるので注意が必要です。
 甑で蒸し上がった酒米を蒸米放冷機で冷却、エアーシューターで仕込みタンクへ輸送し、櫂入れまでの一連の作業を撮影しました。

熊本酵母と協会1801号の醪(令和2年1月29日)

 熊本酵母の醪(留後11日)
 間欠的に少し大きめの泡。泡なし酵母ですが、かなり控えめに泡は出ます。
 留後3、4日目の、リンゴのように新鮮な吟醸香は、だいぶ落ち着きました。

 

 協会1801号酵母の醪(留後7日)
 グツグツと小さめの泡。泡なし酵母ですが、かなり控えめに泡は出ます。
 パイナップルのような果実系の吟醸香が、強烈に漂っています。

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