「ひやおろし」の瓶詰(令和2年8月31日)

 

 冬から春につくられ、火入れして酒蔵に貯蔵した清酒は、秋になりその温度と外気温が同じくらいになると、新酒のあらさがすっかり消えまるみがでてほどよく熟成し、酒の最も飲みごろとされます。
 この時期、瓶詰された酒(主に純米酒)を「ひやおろし」といいいます。
 「純米・一の井手・ひやおろし」は、今夏の呑切りでも”すっきり”していると評価が高く、熟成具合が楽しみです。ちょっと高めの17度でお楽しみ下さい。9月7日(月)発売予定。

呑切り【のみきり】(令和2年8月4日)

呑切り 呑切り

 熊本国税局鑑定官室・岩田室長、小松技官、大分県産業科学技術センターの先生方より、大分県酒造組合で貯蔵出荷管理指導を受けました。
 今年はコロナの影響で3密を避けるため、大分県の蔵元を3日間に分けて実施したので、比較的に時間の余裕があり、適切で有意義な指導を受ける事が出来ました。引き続き高品質の清酒を安定してお客様の手元にお届けして参ります。
 呑切り(のみきり)とは、熟成の進み具合を見るとともに火落ち、鉄の混入が原因で起きる異常着色などの事故を早く発見するために行われる品質チェックです。

酒造好適米「若水(わかみず)」の田圃(令和2年7月14日)

若水

 雨上がりに訪れた臼杵市家野の酒造好適米「若水(わかみず)」の田圃。特別純米「一の井手」特別純米・無濾過生原酒「USUKI」の原料となります。
 社長の同級生・湊浩文さんが精魂込めて栽培しており、「生育も順調。」と雑草を刈りながら知らせてくれました。コロナウイルスも存在しそうにない、長閑な田園風景でした。


火入れ【特別純米酒】(令和2年4月6日)

 

 火入れは、清酒を加熱することにより、清酒の殺菌を行うとともに、残存しているアミラーゼやプロテアーゼ等の酵素を失活させることを主要目的としています。また、火入れ後貯蔵することにより新酒独特の荒々しさや新酒ばな(麹ばな)が消失し、貯蔵中の温度管理によって熟度を調節して香味を整えます。
 通常、火入れは62〜63℃、2〜3分で完了するとされています。しかし火入れの効果は、火落菌の数が多いほど小さく、また火落菌が塊となっている時は特に殺菌されにくいので、十分注意して火入れを行う必要があります。
 特別純米酒は蛇管による火入れを行っています。70℃の温水槽中に蛇管を置き、その中を一定の速度で通過させます。蛇管の入口から貯蔵温度(15℃前後)の清酒が入り、数分かかって蛇管の出口から68℃前後の清酒が出てきます。今回は584タンクから592タンクへの移動でした。

添仕込み【初添】(令和2年3月16日)

 

 添仕込み(初添)は、酒母で純粋に培養され、枯らし期間を経て休止状態にある酵母をさらに増殖させることが目的となりますので、仕込温度は仲、留に比較すると高くなっています。容器の大きさにくらべて物量が少量ですから、品温保持には特に注意が必要です。
 1.水麹 酒母、麹及び仕込水を蒸米投入の1〜3時間前に仕込容器に投入します。この操作を添の水麹といっています。水麹の温度は7〜9℃が標準で、仕込予定温度よりも3〜5℃低くします。(映像の最初の状態です。)
 2.仕込み 水麹の温度を測定し、蒸米の温度を計算で求めその温度に冷却します。予定温度まで冷却した蒸米を水麹中に投入し、櫂で撹拌(櫂入れといいます)して仕込予定温度に仕上げます。仕込時の櫂入れは物量の混和が目的ですから、あまり激しく撹拌しますと蒸米がつぶれますので注意が必要です。

粕離し(かすはなし)【特別純米酒】(令和2年3月14日)

 

 上槽が終って袋及び濾過板から粕を取り出す操作を粕離しといいます。粕離しが全て終わった時点で粕の重量を測ります。検定では、原料とした白米に対し何%の粕ができたかで表し、これを粕歩合といいます。
 粕歩合は20〜30%程度が標準であり、一般には粕歩合が多いほど酒質は良いとされています。粕の性状は、原料処理や発酵の状態をよく表し、次の醪管理の参考になります。
 久家本店の粕歩合は概ね30%以上で、性状も綺麗で滑らかです。(経済的ではないですが)清澄な酒質に仕上がっています。新鮮な酒粕の香りが漂う中、製品課の久家昌二課長と武口が、丁寧に1枚1枚、粕を離していました。

火入れ【出品酒】(令和2年3月4日)

 

 火入れは、清酒を加熱することにより、清酒の殺菌を行うとともに、残存しているアミラーゼやプロテアーゼ等の酵素を失活させることを主要目的としています。また、火入れ後貯蔵することにより新酒独特の荒々しさや新酒ばな(麹ばな)が消失し、貯蔵中の温度管理によって熟度を調節して香味を整えます。
 通常、火入れは62〜63℃、2〜3分で完了するとされています。しかし火入れの効果は、火落菌の数が多いほど小さく、また火落菌が塊となっている時は特に殺菌されにくいので、十分注意して火入れを行う必要があります。また、貯蔵中の過熟を防ぐためには、火入れ後の酒はなるべく速やかに冷却する必要があります。
 久家本店では鑑評会への出品酒の場合、安全に急冷して過熟を防ぐため、斗瓶から一旦チタン製の容器に移し替えて火入れを行っています。

盛り【もり】(令和2年3月2日)

 

 切返し後8〜10時間で品温が1〜2℃上昇します。この時点になると、蒸米上に増殖した菌糸が肉眼でも見えるようになります。蒸米上で白く見える麹菌の菌糸のことを破精(はぜ)といい、この時の破精の程度は蒸米表面の1〜2分とわずかで、やっと目に見える程度です。
 破精が見えるようになると、発熱も次第に旺盛になってきますので、蒸米を小分けして蒸米水分の蒸発を促してやらなければなりません。そこで、この時点で盛りの作業を行います。
 盛り操作は麹箱の簀上に麻あるいは化繊の布を敷き、この上に固まりをほぐした蒸米を一定量ずつ移すことです。蒸米は厚さ6〜8pの層になるよう箱に堆積し、上に綿布を掛けておきます。この時期以降、互いに粘着することなく、1粒1粒がバラバラの状態になっています。
 今日の作業は、添の麹米120sと酒母の麹米60s(どちらも普通酒用)と量が多く、麹切返機を使用して固まりをほぐしました。

中温速醸酒母【普通酒】(令和2年2月29日)

 

 速醸酒母は、水麹時に適量の乳酸を添加して雑菌の繁殖を抑え、同時に大量の培養清酒酵母を加えて、その酵母だけを純粋に培養する方法です。
 速醸酒母で添加する乳酸はバクテリヤの増殖は抑えますが、麹や器具などから混入する野生清酒酵母を抑える力はありません。したがって、速醸酒母では優良酵母(きょうかいアンプル入りなど。今回はきょうかい701号酵母を使用。)をできるだけ早期(水麹時)に多量添加し、数で圧倒して野生清酒酵母に増殖の余地を与えないようにすることが必要です。
 「中温速醸酒母」は速醸酒母の変形で、高温で仕込み、打瀬中の品温を落とさず糖化を進め、酵母の増殖を短期に行わせる製造法で、加温を必要としないので育成法が簡単です。水麹の操作は速醸酒母と同様ですが、仕込みは25〜30℃と高い温度で仕込み、保温して品温の降下を抑え、2〜3日目頃に膨れに導きます。

上槽【袋吊り・大吟醸2本目】(令和2年2月25日)

 

 大吟醸(熊本酵母)の2本目の醪を上槽【袋吊り】しました。
 様々な酒造工程が重なり、蔵人の繁忙もピークを迎えているので、製品課(瓶詰)が応援しています。
 発酵が終わって熟成した醪は、こして液状部分(清酒)と固形部分(粕)に分けます。この操作を上槽(じょうそう、あげぶね)といい、槽または自動醪圧搾機を用います。
 ただし鑑評会などへの出品酒(大吟醸)には、「酒袋」に醪を入れ、それを吊るすことで外圧ではなく醪そのものの重みによって、自然と酒が滴り落ちる「袋吊り」という上槽方法を用います。
 その際、酒が滴る様子から「雫酒」「雫取り」などと呼ばれたりします。醪の自重でじっくり搾るため、余分な成分が押し出されることなく、華やかな香りと繊細な味わいになります。
 また、搾った清酒を「斗瓶(とびん)」と呼ばれる容器で少しずつ集める方法のことを、「斗瓶取り」或いは「斗瓶囲い」といいます。

トップへ戻る